先日、清澄白河庭園を散歩しました。穏やかな晴れの日だったので日差しはそれなりにあったのですが、空は高く、広い庭園を吹く風は爽やかで、もう夏のものとは違うことに気づきました。
街を歩いていても、キンモクセイの甘い香りがしたり、彼岸花が咲いていたりして、少しずつ「秋」の訪れを感じる今日この頃です。
「秋」は、運動会や学芸会、遠足など、行事の多い季節ですね。
楽しい行事の後は、自然とご家庭での会話も弾むと思うのですが、こんなやり取りになっていませんか?
【親】:「運動会楽しかった?」
【子】:「うん。(楽しかった)」
…もちろん、これがダメということではないのですが、お子さまが話したくてたまらないことをたくさん抱えているこのチャンスを、表現力のスキルアップに上手にいかしてみませんか?
質問には2通りあって、ひとつ目が、相手が具体的に答えなくてはいけない質問。
ふたつ目が、相手がイエスかノーで答えられる質問です。
先程の質問は後者ですね。「うん(=イエス)」で済んでしまっています。
私たちインストラクターはレッスン中、ひとつ目の、「相手が具体的に答えなくてはいけない質問」つまり、お子さまが何かしら自分の言葉で答えなくてはいけない質問を心掛けています。先ほどの会話の【親】の質問もそのように変身させてみましょう。
親:「今日の運動、○○くん頑張ってたね。お母さんも見ていてとっても楽しかったなあ!
○○くんは、一番どれが楽しかった?」
年齢が低いお子さまでしたら、お子さまが参加した種目を一緒に振り返ってから
親:「○○ちゃんは、その中でどれが一番楽しかった?」
と質問してあげると、上手に言葉が出てきそうです。
その後も、「どうしてそれが一番なの?」「どんなところがドキドキした?」「あのダンスはどこが一番難しかった?」「どうやったらあんな上手に踊れるの?」「どうしてそんな風に思ったの?」など、お子さんの話に驚いたり感心したりしながら、上手に話を引き出してあげられたらいいですね。
最近よく、これからの社会を生きていくには「思考力が大切」「自分の言葉でしっかりと話せるように」という話を聞きませんか?実際、受験や会社の入社試験もそのような力を求める形に変わってきています。
でも、思考力も自分の言葉で話す力も、一朝一夕に身につけられるものではありません。
そこで、力をつけるために毎日の生活の中で取り組めるのが、親子の会話です。
お子さまへの質問のひと工夫、試してみてはいかがでしょうか。 (遠藤)
2018-9-25