『おはようございます』教室入口のドアが開いて明るい元気な声が聞こえました。
この日は、来春幼稚園に入園するお子さま対象の集団授業の日です。
今年度3歳になるお子さまは、この11月に志望する園に入園願書を出します。
その際、各園で行われる考査に向けての入園試験準備のためのクラスが夏から開設されています。
このクラスでは、毎回考査で行われるような自由遊び、知育、運動などお子さま中心の内容に加えて各園で必ず行われる親子面接の練習をしています。
入園考査まで一ヶ月足らずとなったこの日、紺の清楚な洋服を着たお子さまと緊張気味のお顔をなさったお母様方が次々と集まってきました。
この月2回のクラスは、当初各回8人の定員でしたが、在室生ばかりでなく外部生の希望者も多く、同じカリキュラムのクラスを2度ずつ行うほどに人気となっております。
入園試験に向けて熱心なお母様方が多いということでしょうか。
この日も、親子面接練習のためにオープンスペースで椅子に座って待つ何組もの親子の姿がありました。
きっと入園考査当日もこんな光景がみられることでしょう。
面接を待つ間、椅子に座って待つことが苦手だったお子様たちが、クラスに参加を重ねるうちに、お母様と静かに待てるようになっている・・・そんな成長していく姿を見るのは私たちにとっても嬉しいことです。
この年齢のお子様は、言い聞かせて直ぐに行動できるわけではなく、例え「はい」とお返事ができても、少し時間が経つと忘れてしまうのが普通です。ですから、何度も何度も同じことを繰り返し行い習慣化していくのです。そう、我慢を必要とする習慣は一朝一夕には身に付きません。
参加する回数を重ねていくに従って、それまで玄関に入っても「おはようございます」の挨拶がなかなかできなかったお子様が、自然に口から言葉が出るようになり、名前を呼ばれても返事をすることを知らなかったお子様が、「はい!」と元気に自然に返事ができるようになってきました。これらも毎日の積み重ねの成果です。
授業は一斉授業です。つまり、先生が子どもたち全体に声を掛け、その指示で行動します。
お名前を呼ばれたら返事をし、自分の番が来るまで待つことができる。大変難しいことですが、大変重要なことです。
こういった“指示行動”を積み重ねていくのです。
もちろん、最初の回では、慣れていないお子さまはお母様と離れるのがイヤで大泣きをしたり、じっと座っていられなくて立ち歩く姿もありましたが、そんなお子さまも確実に成長がみられます。
入園準備クラスも残すところ2回、お子様の更なる成長がみられるでしょう。
あと1カ月後、季節外れの桜が満開になることを祈ってやみません。
2012-10-9