2021-06-28

スマホとの付き合い方


 私事ですが、先日仕事に出かけた際、スマートフォンを自宅に忘れてきてしまったことがありました。

 

気づいた時には、最寄り駅に向かう途中で引き返せず、いつも必ず所持しているはずの物がないということに不安を覚えました。

 

まず困ったのは、いつもスマートフォンを時計代わりにしていたので、駅に着くまで時間がわからないことでした。

 

他に、その日お休みの先生と仕事のことで連絡を取りたいのにそれができないこと、家族と連絡が取れないこと、その他何か大切な連絡があっても帰宅まで知り得ないこと、帰りの電車の時刻を調べられず何時に帰宅するかも家族に連絡できないこと、調べたいことが生じてもすぐに調べられないことが心配になりました。

 

そして、そのようなことがあってから、たまたま「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著)という本を読む機会がありました。

 

そこには、この急速なデジタル化社会で人間がスマートフォンに依存し過ぎて、その結果、心身の健康や脳の働きに悪影響がある、と論じられていました。

 

それは様々な研究結果から裏付けされたもので、特に子どもへの与え方や使用のさせ方を誤ると、今後の成長には今から予想もできないような悪影響があるだろうとされていました。

 

事実として、スティーブ・ジョブズを始めとしたIT業界のトップの方々は、わが子にデジタル・デバイスを与えていないといいます。確かにテクノロジーの発達により、人間は便利な物を次々と当たり前に使っています。しかし、スマートフォンはそれらとは大きく性質を異にすることがあるというのです。

 

それは、その依存度、使用頻度と使用時間があまりにも多く、たとえ使用していない時間でもいつもそばに置いて、気づかないうちにずっと気にして着信音に絶えず反応してしまう、ということです。

 

そしてそれが続くと、睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下に繋がり、精神も脳も蝕まれてしまうというのです。

 

もちろん、私たちはスマートフォンやタブレットのおかげで、その場にいて多くの情報を得たり、SNSで人との社交も広がり、それが知能を高めたり人に支えられるなど恩恵を受けていることも知っています。そして初めに書いた私のように、日常生活に欠かすことのできない存在だと感じている人は多いでしょう。

 

しかし、本当にひと時も肌身離さずそばにないといけない物なのでしょうか。

 

私もスマートフォンを忘れた日のことを思い返すと、確かに不安で心配な気持ちにはなりましたが、なければないで多少不便でも実は大したことではなかったのだと気が付きました。

 

スマートフォンがなくても、電車に乗れないわけではなく、時間に余裕を持てば時刻を気にすることもないわけで時計を身につけていれば良く、また、教室に着いてから教室の電話を使って仕事の連絡もでき、家族には前もって私の居所を知らせてあるのでもしもの時は連絡は取れ、帰りもいつも通り帰宅すれば良いのです。きっと私のように、大人はどこかで冷静に考えればそれに気がつけるでしょう。

 

しかし、若い世代や子どもたちは自制するのが難しく、一度与えられその魅力に取り憑かれてしまうとなかなか手放せられなくなるようです。ですから、もちろん大人自身も、また親として子どもに与える側としても、スマートフォンやタブレットの使用の仕方について今一度きちんと考えることはとても重要だと思いました。

 

使う時間とどういうことに使うかを決めることや、使わない時刻を決めて物理的にも距離のあるところに保管するなど、依存しないための具体的な方法をこれから見つけたいと思います。

 

休日には思いきってスマートフォンを遠ざけてみたり、YouTubeやゲームの楽しみを体を動かすことに置き換えることだって、やってみたらそちらの方が快適に感じるかもしれませんね。

 

2021-6-28 新屋

 

 

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