一年生になってから、何人かの生徒さんが作文や絵日記を書いて持参し、授業の前に「これ書いてきたよ」と恥ずかしそうに、そして少し誇らしげに渡してくれます。
そしてこれを読ませていただくたびに、まだ字が書けるようになって数年しか経っていないはずのこの子ども達の成長のスピードに驚かされると同時に、ご自宅で机に向かい一生懸命に書いている姿を想像すると嬉しさで胸がいっぱいになります。
自分の気持ちを話すことができても、それを文に書こうとすると難しくなってしまう…。自分の感情を文章にすることは意外と難しいものです。
そんな時は、絵日記のように感情を表情の絵で表してみたり、自分が好きなことや反対に嫌なことなどを絵にすることで、気持ちについて考えてみるところからスタートするのもよいと思います。
誰かに何かを伝えるには自分の気持ちを整理してみることが大切です。
そして何も特別なことなんて書こうとしなくてもよいのです。まずは自分の身近なところに好きや嫌いを見つけてみましょう。小学生なら学校へ行く時に見かける動植物でもよいですし、好きな(苦手な)給食のメニューだってよいのです。
それを見つけたら、誰かに紹介するつもりで書いてみると書きやすいです。
・こんなことがありました。
・こんなものが好きです。
この時に自分の気持ちが少しでも書かれていると文が生き生きとしてきます。また、友達や家族のことばを書いてみるのも面白いですね。
はじめ→なか→まとめと書き進める習慣ができてくると日記や作文が一つのテーマにおける気持ちの整理を行うものとして身についてくると思います。
幼い頃から、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を研ぎ澄まし生活すること、それを相手に伝える表情力を養うことで、「書く」ということがきっと好きになると思います。
2021-12-17
(橋本)