2015-04-10

「よく見る」ということ


東京では、季節外れの暖かさに背中を押されるように、あっという間に桜が満開になったと思ったら、今週は厚手のコートが欲しい氷雨混じりの入園式をお迎えになった方もいらっしゃることと思います。

特に、大きな節目となる卒園、卒業式を終えられた親御さんは、お子様の成長に胸が熱くなったり、友人との別れに切なくなる三月から、期待と緊張の入り混じった新しい環境へと踏み出す四月は、変化の大きな時期ですね。親も緊張するのですから、子供も緊張しています。いつもより疲れの出やすい時期だと思います。お子様の気持ちに寄り添い、家庭ではリラックスできる環境を作り、早めに体を休めるようサポートしてあげてくださいね。

さて、今日は「よく見る」こと、について、少しお話ししたいと思います。

お母様方も、雑誌などで、似たような二枚の絵を見比べて、違うところを見つける「間違い探し」というものを、ご覧になったことがあると思います。見かけたら、やってみよう!と思われますか?

やってみようと思われる方は、過去にうまく見つけられた成功体験があるため、今回も出来そう!と、思えます。子供も同じです。やる前に、なんだかよくわからない…と思うと、不安で緊張します。

逆に、あれ、出来そう!と思うと、前向きに取り組み、結果、うまくできる、という達成感を得て、また次も出来そう!と好循環が生まれます。やる気とは、達成感の積み重ねから培われる自己肯定感、平たく言うと、自分は結構いいぞ、できるぞ、という気持ちから生まれてくるのではないでしょうか。

やる気スイッチは、一朝一夕には入らないのです。

さて、先ほどの「間違い探し」ですが、基本は「よく見る」ことですよね。絵が二枚なら「よく見比べる」ことです。チャイルドアイズの教材にも、違うところを見つけたり、足りないところを見つける教材がいくつかありますが、生徒さんに「よく見てね」と言うと、絵に目を近づけて、穴があくほど見つめていることがあります。

お母様方は、どうやって見比べますか?

まず、交互に絵を見ますよね?それから、ポイントを決めて部分的にチェックしていきませんか?

なんとなく見ていると同じように見えても、チューリップの本数はどう?子供が髪を二つに結んでいる?犬のしっぽは右を向いている?長さはどう?等々、目を動かしポイントをチェックすると、あ、ここが違う、ここは同じ、と見つけることができます。

何度もやっていると、どこが違うか経験から推測して効率よく見つけることができるのです。この、自分でポイントを決めてひとつずつチェックしていく力を養うことは、とても大事なことだと考えています。

例えは、桜の花をよく見たら、花びらが五枚ある、花びらの先が割れている、ピンク色だと思っていたが思った以上に薄いピンクだ、など、自分のスペシャルな印象が入ると、より印象が強くなり、知識も増えます。また、梅の花と比べたら…と、どんどん気づくことが増え、知識が深まります。

三角形のなかには、直角を持つ三角もあれば、二等辺三角形のように二辺が同じ三角形もある。正三角形のように三辺が同じ長さの三角形もある。長さや角度を比べてみると、たくさんの気づきがあるはずです。

平仮名や漢字も同じです。横線二本だなとか、上の線より下の線が短いとか、線が突き出るんだな、など自分で気づけると、より正確に覚えることができます。

なんとなく、ではなく、きちんと見ることを身につけると、たくさんの気づきに出会えるのです。前にもお話しましたが、自分で気づいて身につけた知識は、教えられた知識よりはるかに深く残ります。

チャイルドアイズに通うお子さん達には、いろいろな切り口で物事をよく見ることのできる、気づきの多いお子さんになっていただきたい。そのために、教えるのではなく、気づいてもらう授業、自分でポイントを決めて見る、違いを自分の言葉で表現できる、そんなことを心がけて授業に臨んでおります。

2015-4-9
 

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