小学校受験の口頭試問、いわゆるお子さんへの「面接」の定番の質問のなかに、
『おうちではどんなお手伝いをしますか?』
というものがあります。
小学校の先生方はいろいろな観点から、そのお子さんのみならず、どのようなご家庭であるかを知っておきたいのだと思います。
でも、単なる面接対応としてではなく、ご家庭でのお手伝いがいかに大切であるかを少しお話したいと思います。
確かに小さなお子さんができるお手伝いは、限られています。
「お洗濯ものをたたみます。」とか、『ご飯を食べたあと、お皿を運びます。』
と誇らしげにお話してくださるお子さんがほとんどです。
お母さまからすると、手伝ってもらうのは嬉しい反面、時間も手間もかえってかかってしまうこともあるでしょう。特にお台所での調理などは包丁やコンロなど、使い方を間違えれば危険も伴いますし、衛生面も気になるところ。
でも、お母さまとのコミュニケーションを通じて学ぶことは多々あります。
食の大切さはもとより、様々な食材を実際に目にしたり、触ってみることで、野菜やお魚の名前など語彙や知識が増えるだけでなく、日本の四季や旬について体感することもできます。また、調理という作業には実は素材の買い出し、下ごしらえ、配膳、洗い物…といった様々な過程が存在することから、料理の基本的な流れがわかるようになると、「先を見通す力」や「社会で必要とされる力」も身につく…という新聞記事を目にしたこともあります。
調理に限らず、たとえどんな小さなお手伝いであっても、家族の一員としての役割を持つということは責任感を育みます。自分がしなくてはならない…家族の役に立っている…という誇りを持つことができます。
そして何よりも大切なことは、失敗しても、一生懸命取り組んでくれたことを褒めてあげることです。褒められることで、お子さんは、次はまた頑張ろう、とか、同じ失敗をしないためにはどうしたらよいか…ということを考えられるようになります。
春が待ち遠しい季節。小学校に上がるお子さんはもとより、年少さんのお子さんでさえ、「ひとつお兄さん、お姉さんになる」ということを少しづつ意識し始めています。
そんな、新学年のスタートに合わせて、お子様にできることを、たくさん見つけてみてはいかがでしょう。
2017-2-22