先日あるお母様が、ご自身が高学年の頃に苦労されたご経験から空間認知力の重要性を痛感し、わが子には幼児期からたくさん図形に触れさせたい、とのことで教室にいらっしゃいました。
実際、そのような思いで通っていただいているお子様も少なくはないと思います。
実は、子どもの図形を認識する力というのは、生まれて間もない赤ちゃんが、人間の顔と物の形を区別できるように、もともと備わっているそうです。また、ハイハイをして動くようになると、近くにある物と遠くにある物がわかるようになり、奥行きや空間を把握する力も身につけていくようです。
しかし、図形を理解する力をより着実に伸ばすためには、やはり他の能力と同じように幼児期から経験を積み重ねることが大切でしょう。
その経験は普段の遊びの中でもできるものです。
例えば、積み木やブロックは、様々な形に出会い、手を動かしながら立体を把握でき、長さや高さ、大きさなどに注目すると法則も発見できるでしょう。
手だけではなく、体全体で立体を感じるためには、大きさの異なる段ボール箱を外側から見るだけではなく、中に入ってみて感じることも体験の一つです。
我が家では昔、部屋の片隅に段ボール箱の隠れ家を置いて子どもと遊んでいました。
最近では、部屋の中に置ける小さな円すい型のテントもあるようですし、体が小さいうちこそできる体験も良いと思います。
ご存知の通り、折り紙も、図形の感覚を身につけるのに適しています。正方形の折り紙を半分に折るだけでも長方形や三角形ができて発見がありますし、折り目のところをちぎったり切ったりして広げてみるのも楽しいです。折って立体を作ることにより、平面から立体への関係つまり展開図を理解する基礎も養われます。決まった折り方を少し変えてみて、その結果何か新たなものが作れたとしたら、それも素敵なことです。
そして、私たちチャイルド・アイズの授業で使う教材の中にも、楽しみながら図形の分野の思考力を育て伸ばすものが多岐にわたってあります。教室で経験したらその後ご家庭でも繰り返し使っていただけるものです。
その時のお子様の力に応じて、目的を持ってたくさん経験させてあげることで、将来必要になってくる図形の高度な力にも繋げていただくことができると思っています。
2018-3-6